新人教育時に教えたい ビジネス電話のコツ

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重要なビジネスマナーの1つである電話応対。受け答え次第では取引先に悪い印象を与えてしまうこともあるため、電話の応対方法をしっかり身につけることが重要です。先輩社員はどんな点に気をつけて教えれば良いのでしょうか。受け答えの具体例と、新人教育時に教えたいビジネス電話のコツを紹介します。

目次

電話を使ったコミュニケーションの特徴

電話でのコミュニケーションの特徴を理解しておくことで、新入社員がどのような点でつまずきやすいか、どんな教育をすべきか考えやすくなります。

リアルタイム性がある

電話には相手と同時に情報共有できる「リアルタイム性」があります。声を聞けることで文面だけでは伝えきれない細かなニュアンスを伝えやすく、メールなどでは進めにくい打ち合わせや会議に向いています。電話の即時性はこのようなシーンで役立つ一方、臨機応変な対応が求められるため新入社員が焦り、敬語の間違いや電話機の操作を誤るなどのミスも発生します。最初のうちはトークスクリプトやマニュアルを用意しておくと良いでしょう。

匿名性が高い

電話は匿名性が高く、電話に出るまで相手の名前や会社名が分からないことが多いものです。現在、若い世代ではLINEやTwitterなどのテキストコミュニケーションが主流となっています。日頃、知人以外からの電話を受ける機会が少ない若者にとっては、発信者の詳しい情報が分からない電話に出ることはストレスになる場合もあるようです。 新入社員にはいきなり実践させるのではなく、最初に電話応対の基礎的な手順を教え、電話に慣れやすい環境を作りましょう。

電話応対の準備と心構え

電話応対を始める前に準備すべきものや、持っておくべき心構えについて紹介します。

ペンとメモ用紙を用意

自席にペンとメモ用紙を用意しましょう。電話はメールやチャットのように記録が文字として残らないため、情報を正確に伝えるためにメモは必須です。取り次ぎの際に番号確認に手間取らないよう、内線番号表を手元に置いておくとさらにスムーズに取り次ぎができるでしょう。また、通話内容を確認するためには、MediaOfficeの録音機能を活用する方法もあります。

電話機の基本操作を教える

基本操作に慣れておくことでミスを予防することができます。保留や内線の取り次ぎなど、電話の基本操作方法を確認するために、まずは社員同士でロールプレイングなどを行うと慣れるのに役立ちます。

笑顔で良い姿勢を心がける

緊張していると声のトーンも下がりがち。取引先にも「電話応対が暗い」と悪い印象を与えてしまいかねません。電話を受ける際は笑顔で話すことを意識しましょう。笑顔になると自然と口角が上がって声の印象が明るくなります。

ビジネス電話のコツ(基本編)

電話応対の準備と心構えを学んだら、次は実際に電話で社外の人とやり取りする際の注意点を見ていきましょう。例を挙げつつ、基本的なビジネス電話のコツをいくつか紹介します。

遅くとも3コール以内に取る

お客様を待たせないために電話はなるべく早く取りましょう。1コールで取るのが理想ですが、遅くとも3コール以内に取るのが基本です。3コール以上になってしまった場合は「お待たせいたしました」と謝罪の意を示す言葉を付け加えましょう。

冒頭のあいさつを忘れずに

受話器を取ったらまず「〇〇社でございます」とあいさつしましょう。相手の会社名と名前を聞いたら「□□社の△△様ですね。いつもお世話になっております」と述べます。ミスを防ぐためにも相手の会社名・所属を復唱しつつ、日頃のお礼を述べることがポイントです。

「クッション言葉」を使う

電話は声だけのコミュニケーションであるため、言い方次第では誤解を招いたり、不快な印象を与えたりする恐れがあります。会話の印象を和らげる「クッション言葉」を会話に挟むことで、そうしたリスクを防ぐことが可能です。例えば、以下のような場面で利用できます。

例1)相手を待たせる場合
 ✕「ちょっと待ってください」
 ◯「恐れ入りますが、少々お待ちくださいませ」

例2)折り返し電話をもらいたい場合
 ✕「(戻りましたら折り返しご連絡しますので、)お電話番号をお願いします」
 ◯「(戻りましたら折り返しご連絡しますので、)念のため、お電話番号を頂戴してもよろしいでしょうか」

復唱確認を行う

聞き間違い・聞き漏らしを防ぐために復唱確認を行います。「復唱させていただきます。~でよろしいでしょうか」と繰り返したり、「恐れ入りますが、もう一度〇〇(ご用件/御社名/お名前)をご確認してもよろしいでしょうか」と尋ねたりすると良いでしょう。

受話器を置くときは静かに

通話の最後には、「ガチャン」と音が鳴らないようフックを指で押してから、そっと受話器を置いて戻しましょう。電話をかけた方が先に切るのが一般的ですが、謝罪の電話を入れる際や目上の方へ電話する際は相手が電話を切るまで待つと良いといわれています。待つ時間の目安は3秒ほどです。

ビジネス電話のコツ(応用編)

ここまではビジネス電話の基本的なポイントを説明してきました。ここからは、ビジネス電話の応用的なコツを紹介します。以下の点を意識して電話応対に臨めば、さらに相手への印象をアップさせられるでしょう。

相手に配慮した言い方を心がける

電話は双方向型のコミュニケーションであるため、会話が一方通行にならないよう相手の意向を尋ねるニュアンスを会話に含めることが重要です。2つの例を用いて説明します。

例1)相手を待たせる場合
 ✕「ちょっと待ってください」
 ◯「恐れ入りますが、少々お待ちくださいませ」
 ◯「恐れ入りますが、少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか

例2)折り返し電話をもらいたい場合
 ✕「戻りましたら折り返しご連絡しますので、お電話番号をお願いします」
 ◯「戻りましたら折り返しご連絡しますので、念のため、お電話番号を頂戴してもよろしいでしょうか
 ◯「よろしければ、折り返しお電話いたしましょうか

「~してください」「~をお願いします」は、一方的な言い方にも受け取れます。そこで、こちらから提案したり、相手の意向を確認したりするような言い方に変えることで相手の選択の余地が生まれ、快く対応してもらえます。

営業電話には丁寧かつ毅然とした態度で対応を

営業電話をもらい、不要と判断した場合はクッション言葉を用いるなどして丁寧に応対しつつ、きっぱりと断りましょう。例えば以下のように答えます。

例1)部門名などで指名され、名指し人が不明瞭な場合
「恐れ入りますが、ご用件を伺ってもよろしいでしょうか」

例2)明らかに不要と判断される場合
「そちらの件でしたら、申し訳ないのですがお断りしております」

例3)判断に迷う場合
「担当者に確認してまいりますので、少々お待ちくださいませ」

中にははっきりと「不要です」とお断りする場合もありますが、相手からすると無愛想ともとれる対応をすることで会社のイメージを下げてしまう懸念もあります。あくまでも「ご紹介いただきありがたいのですが~」などと和らげる一言を加えつつ断ることがポイントです。

電話応対が会社の印象を左右する

電話応対は会社の印象に関わることもあるため、新人教育では電話応対の基礎的なマナーをしっかり教えることが重要です。教えるべきポイントを押さえてぜひ新人教育に役立ててください。